税金・社会保険
育児休業で免除される社会保険料と、受け取れる給付金
育児休業中は、健康保険・介護保険・厚生年金保険の保険料が本人負担分・事業主負担分ともに免除されます。免除されるかどうかは月ごとに判定し、月末時点で育児休業中であるか、または同じ月の中で14日以上取得しているかで決まります。このシミュレーターは、休業の開始日と終了予定日から免除される保険料を月単位で計算し、あわせて育児休業給付金と出生後休業支援給付金の概算をお示しします。会社側では、事業主負担分に加えて子ども・子育て拠出金も課されなくなります。
無料・登録不要/2026-08-13 時点の公的データで計算
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計算方法の概要
- 月額保険料が免除される月 = 育児休業等を開始した日の属する月から、終了する日の翌日が属する月の前月まで。結果として、休業期間に月末日が含まれる月が対象になります。
- これに加えて、開始月と「終了日の翌日が属する月」が同じ場合でも、その月の育児休業等の日数が14日以上あれば、その月の月額保険料が免除されます(令和4年10月1日以後に開始した育児休業等)。土日などの休日も日数に含みます。
- 14日以上の要件は「休業が1つの月の中で完結している場合」の規定です。月をまたぐ休業の端の月には及びません。たとえば9月20日から10月20日までの休業では、10月の休業日数が21日あっても10月分は免除されません。
- 免除される保険料 = 標準報酬月額 ×(健康保険料率+子ども・子育て支援金率+介護保険料率)+ 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率。健康保険・介護保険・厚生年金は労使折半で、本人負担分と事業主負担分の双方が免除されます。
- 会社側にはこれに加えて、子ども・子育て拠出金(標準報酬月額 × 0.36%・全額事業主負担)が課されなくなります。行政の解説ページに記載が見当たらない論点ですが、子ども・子育て支援法が拠出金の賦課標準から除外すると定めています。
- 賞与の保険料は、1か月を超える育児休業等を取得し、かつ賞与の支給月が月額保険料の免除月である場合に免除されます。14日以上という要件は月額保険料の話であって、賞与には効きません。
- 育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(通算180日まで)。181日目以降は50%です。休業開始時賃金日額は、休業開始前6か月の賃金総額を180で割った額で、上限額・下限額があります。
- 出生後休業支援給付金 = 休業開始時賃金日額 × 対象期間内の休業日数(上限28日)× 13%。育児休業給付金に上乗せされ、合わせて給付率80%になります。
- 雇用保険料と労災保険料は「免除」ではありません。賃金を支払わなければ賃金総額に算入されないため、そもそも発生しないという扱いです。
計算の前提条件
- 1回の連続した育児休業等を前提に計算しています。複数回に分けて取得する場合、間に就業した日がなければ全部を1つの育児休業等とみなす扱いがありますが、本試算では扱っていません。
- 休業期間中に就業した日はないものとしています。出生時育児休業(産後パパ育休)で事前に調整して就業した場合、その日数は14日要件の日数から差し引かれます。
- 保険料は協会けんぽ(都道府県単位の健康保険料率・労使折半)を前提としています。健康保険組合は規約で事業主の負担割合を増やせるため、組合健保の会社では事業主の免除額が本試算より大きくなることがあります。
- 保険料の端数は、本人負担分について50銭以下を切り捨て、50銭を超える場合を切り上げて計算しています。事業主負担分は総額から本人負担分を差し引いた額としています。実際の納入告知額とは数円単位で差が出ることがあります。
- 標準賞与額は1,000円未満を切り捨て、健康保険は年度累計573万円、厚生年金は1回あたり150万円を上限としています。年度累計の上限は、入力していただいた賞与のみで判定しています(休業前に支給された賞与は含みません)。
- 育児休業給付は、休業中に事業主から賃金が支払われないことを前提に計算しています。賃金が支払われる場合、賃金と給付の合計が「賃金日額 × 支給日数」の80%以上になると減額され、80%以上の賃金が支払われると支給されません。
- 支給単位期間ごとの支給日数は原則30日とし、休業終了日を含む期間のみ終了日までの日数としています。このため支給日数の合計は休業の暦日数と一致しないことがあります。
- 産前産後休業期間中の保険料免除は含めていません。産休に続けて育休を取る場合、実際の免除額は本試算より大きくなります。
- 所得税・住民税は含めていません。育児休業給付は非課税ですが、住民税は前年の所得に対して課されるため、休業中も納付が必要になることがあります。
- 代替要員の費用や引継ぎの工数は含めていません。これらに公的な標準値は存在しないため、本シミュレーターでは数値を提示しません。
使用料率・出典
- 月額保険料の免除要件(月末在籍/同一月内14日以上)14日以上で免除適用開始日: 2022-10-01/最終確認日: 2026-08-13
- 賞与保険料の免除要件(1か月を超える育児休業等)境界の暦日判定は公的な明示なし適用開始日: 2022-10-01/最終確認日: 2026-08-13
- 免除される保険料の範囲(本人負担分・事業主負担分)子ども・子育て拠出金を含む適用開始日: 2026-04-01/最終確認日: 2026-08-13
- 対象となる育児休業等の範囲子が3歳に達するまで適用開始日: 2022-10-01/最終確認日: 2026-08-13
- 産前産後休業期間中の保険料免除14日要件・1か月超要件なし適用開始日: 2014-04-30/最終確認日: 2026-08-13育休のような柱書の括弧書き(1か月以下なら月額のみ)が条文に存在しないことを確認しています。
- 免除の申出(育児休業等取得者申出書)事業主の申出が必要適用開始日: 2022-10-01/最終確認日: 2026-08-13
- 労働保険料(雇用保険・労災保険)賃金総額に対して課される適用開始日: 2026-04-01/最終確認日: 2026-08-13
- 育児休業給付金・出生後休業支援給付金67%/50%+13%適用開始日: 2025-04-01/最終確認日: 2026-08-13
- 給付の上限額・下限額(賃金日額)上限 16,540円/下限 3,203円適用開始日: 2026-08-01/最終確認日: 2026-08-13毎年8月1日に毎月勤労統計の平均定期給与額の増減で改定されます。次回の改定は2027年8月1日です。
- 健康保険料率(協会けんぽ・都道府県単位)都道府県別(労使折半)適用開始日: 2026-03-01/最終確認日: 2026-08-12労使折半。令和8年3月分(2026年4月納付分)から適用。任意継続被保険者は令和8年4月分から。
- 子ども・子育て支援金率0.23%(労使折半)適用開始日: 2026-04-01/最終確認日: 2026-08-12令和8年4月分から新設。医療保険料と併せて徴収され、健康保険と同じ標準報酬ベース(賞与は年度累計573万円上限)・労使折半。
- 介護保険料率(40〜64歳)1.62%(労使折半)適用開始日: 2026-03-01/最終確認日: 2026-08-1240〜64歳(介護保険第2号被保険者)に上乗せ。全国一律・労使折半。令和7年度1.59%から引き上げ。
- 厚生年金保険料率18.3%(労使折半)適用開始日: 2017-09-01/最終確認日: 2026-08-12平成29年9月以降18.3%で固定。労使折半(各9.15%)。
- 子ども・子育て拠出金率0.36%(事業主全額負担)適用開始日: 2020-04-01/最終確認日: 2026-08-12事業主が全額負担。厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額(月150万円上限)に対して課される。令和8年度も0.36%で据え置き。
- 標準報酬月額等級表健康保険50等級/厚生年金32等級適用開始日: 2016-04-01/最終確認日: 2026-08-12健康保険は50等級(5.8万〜139万円)。厚生年金は32等級(8.8万〜65万円)。年金制度改正法により厚生年金上限は2027年9月に68万円へ引き上げ予定。
- 標準賞与額の上限健保 年度累計573万円/厚年 月150万円適用開始日: 2016-04-01/最終確認日: 2026-08-12健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金は年度累計573万円、厚生年金・子ども・子育て拠出金は1ヶ月あたり150万円が上限。
よくあるご質問
育休中の社会保険料は、月末に休んでいないと免除されないのですか。
いいえ。令和4年10月1日以後に開始した育児休業等については、月末時点で育児休業中であることに加えて、「開始月と終了日の翌日が属する月が同じで、その月の育児休業等の日数が14日以上」の場合も免除されます。たとえば10月1日から10月14日まで取得した場合、月末には休んでいませんが14日あるため10月分は免除されます。「月末をまたぐことが必須」という説明は改正前のもので、現在は正確ではありません。ただし14日の要件は、休業が1つの月の中で完結している場合の規定です。9月20日から10月20日までのように月をまたぐ休業では、10月の休業日数が21日あっても10月分は免除されません(9月分は月末在籍により免除されます)。
免除されるのは本人負担分だけですか。会社負担分はどうなりますか。
本人負担分と事業主負担分の双方が免除されます。「免除」であって「猶予」ではないため、後から支払う必要はありません。被保険者の資格は続くので健康保険の給付は受けられ、免除された期間も年金額の計算では保険料を納めた期間として扱われます。さらに会社側では、全額事業主負担である子ども・子育て拠出金も課されなくなります。標準報酬月額30万円・東京都・40歳未満の場合、事業主側の免除額は月43,650円(健康保険と子ども・子育て支援金の折半分15,120円+厚生年金の折半分27,450円+拠出金1,080円)です。
賞与の保険料も免除されますか。14日以上取れば対象になりますか。
賞与の保険料が免除されるのは、1か月を超える育児休業等を取得し、かつ賞与の支給月が月額保険料の免除月である場合だけです。14日以上という要件は月額保険料の話であって、賞与には効きません。日本年金機構は「賞与支給月が7月で、育児休業等期間が7月20日から7月31日の場合」を例に、月末をまたぐので月額保険料は免除されるが、この場合の賞与保険料は免除されないと説明しています。なお「1か月を超える」の暦日判定の境界を明示した公的資料は見当たりませんでした。本シミュレーターは、開始日の翌月の応当日以降まで続く場合にのみ免除額を示し、ちょうど1か月とされる位置では金額を確定させず、年金事務所等への確認をお勧めしています。
雇用保険料も免除されますか。
雇用保険料は社会保険料の免除の対象ではありません。ただし、雇用保険料も労災保険料も「賃金総額 × 保険料率」で計算するため、育児休業中に賃金を支払わなければ、労働者負担分・事業主負担分ともに発生しません。社会保険料のように申出をして免除を受けるのではなく、賃金がゼロなら自動的にゼロになる、という違いがあります。育休中に一部でも賃金を支払う場合は、その賃金に対して雇用保険料がかかります。「社会保険料が免除されるから雇用保険料も免除される」という説明は、結果が似ていても仕組みが異なります。
産休から続けて育休を取る場合、免除はどうなりますか。
産前産後休業にも保険料の免除があり、育休とは要件が異なります。産前42日(多胎妊娠は98日)・産後56日のうち労務に従事しなかった期間が対象で、免除される月の決め方は育休と同じですが、14日以上という要件も、賞与の「1か月を超える」という要件もありません。産休の免除期間中に賞与の支払月があれば、期間の長短にかかわらず賞与の保険料も免除されます。本シミュレーターは育児休業の分だけを計算するため、産休に続けて取得する場合、実際の免除額は本試算より大きくなります。産休と育休では提出する申出書も別です。
手続きをしなくても自動的に免除されますか。
免除されません。事業主が「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書」を日本年金機構または健康保険組合へ提出して、はじめて免除が適用されます。提出できるのは育児休業等の期間中、または終了日から起算して1か月以内で、これを過ぎると遅延理由書などの添付が必要になります。また、育児・介護休業法上の区分(1歳まで/1歳〜1歳6か月/1歳6か月〜2歳/出生時育児休業/3歳までの準ずる措置)ごとに、その都度提出する必要があります。申出漏れで免除を受け損ねている例は実際にあります。
育児休業給付金はいくらもらえますか。会社が払うのですか。
育児休業給付は雇用保険からの給付で、政府(ハローワーク)が本人に支給します。会社は支給申請の手続きと賃金の証明を行います。額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」(通算180日まで。181日目以降は50%)です。休業開始時賃金日額は休業開始前6か月の賃金総額を180で割った額で、上限額・下限額があります。令和7年4月に新設された出生後休業支援給付金の要件を満たすと、最大28日分について13%が上乗せされ、給付率は80%になります。給付が非課税であること、賃金がないため雇用保険料の負担がないこと、社会保険料が免除されることが重なるため、この80%は休業前の手取りとおおむね同じ水準になります。
PDFレポートには何が含まれますか?
画面では、免除される保険料の合計(本人負担分・会社負担分)と、育児休業給付金・出生後休業支援給付金の概算をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、どの月がどの要件で免除になったかを示す月次の免除カレンダー、休業終了日を数日ずらした場合に免除月数と免除額がどう変わるか、賞与の支給月をまたぐかどうかの影響、給付が上限額・下限額に当たっているかの確認、会社側の負担軽減額の年度別合計、そして社内説明や申請準備に使えるPDFレポートを提供します。
ご利用上の注意
- 本シミュレーターの結果は概算です。実際の免除額・給付額は、日本年金機構・健康保険組合・ハローワークの決定によります。
- 賞与保険料の免除要件である「1か月を超える育児休業等」について、暦日判定の境界(起算日と応当日の扱い)を明示した公的資料は、厚生労働省・日本年金機構のいずれにも見当たりませんでした。そのため本シミュレーターは、開始日の翌月の応当日以降まで休業が続く場合にのみ「免除される」として金額を示し、ちょうど1か月とされる位置にあたる場合は金額を確定させません。該当する場合は年金事務所または健康保険組合にご確認ください。
- 保険料の免除は自動的には適用されません。事業主が「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書」を提出して、はじめて免除されます。提出の時期は育児休業等の期間中、または終了日から起算して1か月以内です。
- 育児休業給付の受給には、休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数11日以上(または就業時間数80時間以上)の月が12か月以上あることなどの要件があります。本シミュレーターは要件の充足を判定しません。
- 出生後休業支援給付金には、対象期間内の出生後休業が通算14日以上であること、配偶者も当該子について出生後休業をしたことなどの要件があります。配偶者がいない場合や配偶者が雇用労働者でない場合など、配偶者の要件が不要になる場合もあります。本シミュレーターでは、要件を満たすかどうかを利用者に選んでいただいています。
- 社会保険料の免除は子が3歳に達するまでの育児休業等が対象ですが、雇用保険の育児休業給付は原則として子が1歳になるまで(延長した場合は最長2歳まで)です。この2つの期間はずれます。
- 個別の判断が必要な事項は、年金事務所・健康保険組合・ハローワーク、または社会保険労務士にご相談ください。