利益改善

最低賃金が上がる。うちはいくら値上げすれば足りる?

最低賃金の引上げや賃上げで、人件費は実際いくら増えるのか。そして、その増えた分を賄うには価格を何%上げればよいのか。賃金そのものだけでなく、それに連動して増える社会保険料の会社負担まで含めて計算し、必要な値上げ率・売上増・粗利改善を逆算します。

無料・登録不要/2026-08-12 時点の公的データで計算

入力フォームを読み込んでいます…

計算方法の概要

  • 賃金の増加額 = 時給の引上げ額 × 月間労働時間 × 12ヶ月 × 対象人数
  • 社会保険料の会社負担増は、引上げ前後それぞれで標準報酬月額を求めて差を取ります。等級をまたぐと負担が階段状に跳ねるため、率を掛けるだけの概算とは結果が変わります。
  • 人件費の増加額 = 賃金の増加額 + 社会保険・労働保険の会社負担増
  • 必要な値上げ率 = 人件費の増加額 ÷ 年間売上高。値上げした分は仕入や原価が増えないため、増えた売上がそのまま粗利になります。
  • 必要な売上増 = 人件費の増加額 ÷ 粗利率。数量を増やして賄う場合は、増えた売上のうち粗利率の分しか残らないため、値上げより大きな売上が必要になります。
  • 必要な粗利改善額 = 人件費の増加額そのもの。コスト削減などで粗利を改善して賄う場合の金額です。

計算の前提条件

  • 最低賃金は都道府県ごとに定められ、発効日も異なります。現在発効している額と、改定の答申が出ている額は区別して表示しています。
  • 最低賃金には、臨時に支払われる賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、時間外・休日・深夜の割増賃金、精皆勤手当・通勤手当・家族手当は算入されません。これらを除いた額で最低賃金以上かを判断します。
  • 社会保険料は、時給×月間労働時間を報酬月額として標準報酬月額の等級に当てはめて計算しています。実際には固定的賃金の変動から3か月の平均で随時改定が判定されるため、改定の時期は異なります。
  • 賃上げによって残業代の単価も上がりますが、残業時間は人によって異なるためこの計算には含めていません。実際の負担はここで出る金額より大きくなることがあります。
  • 対象となる従業員を1つのグループとして平均値で計算しています。時給や労働時間に大きな幅がある場合は、グループを分けて複数回試算してください。
  • 必要な値上げ率は、値上げしても販売数量が変わらない前提です。実際には数量が落ちる可能性があるため、詳細分析で数量減を織り込んだ試算を用意しています。

使用料率・出典

よくあるご質問

なぜ賃金の増加額より人件費の増加額の方が大きいのですか?

賃上げすると、それに連動して社会保険料や労働保険料の会社負担も増えるためです。特に健康保険と厚生年金は「標準報酬月額」という等級で保険料が決まるため、賃上げによって等級が上がると、保険料が階段状に跳ね上がります。この場合、賃金の増加額に対する社会保険料の増加割合は、通常の15〜16%を大きく超えることがあります。

「値上げで賄う」と「売上を増やして賄う」で必要な金額が違うのはなぜですか?

値上げの場合、売価だけが上がって仕入や原価は変わらないため、増えた売上がまるごと粗利になります。一方、数量を増やして売上を伸ばす場合は、その分だけ仕入や原価も増えるため、増えた売上のうち粗利率の分しか手元に残りません。粗利率30%の会社なら、値上げで100万円を確保するのと、数量増で確保するのとでは、必要な売上が3倍以上違います。

うちは時給1,300円払っているので最低賃金は関係ないのでは?

確認が必要です。最低賃金の計算には、通勤手当・精皆勤手当・家族手当、時間外や休日・深夜の割増賃金、賞与などは算入されません。これらを含めた額で1,300円になっている場合、算入される賃金だけで見ると最低賃金を下回っている可能性があります。また月給制の場合は、月給を1か月平均所定労働時間で割った時間額で判定します。

最低賃金の改定はいつから適用されますか?

都道府県ごとに異なります。毎年7〜8月に国の審議会が引上げ額の目安を示し、各都道府県の審議会が答申を行い、異議申出の手続を経て官報公示され、公示から30日程度で発効します。多くは10月ですが、11月以降になる県もあります。本シミュレーターでは、現在発効している額と、答申が出ている改定額を分けて表示しています。

賃上げすると税金が安くなると聞きました。

中小企業向けの賃上げ促進税制があります。雇用者給与等支給額が前年度より1.5%以上増えれば増加額の15%、2.5%以上なら30%を法人税額から控除できます(控除の上限は法人税額の20%)。ただし赤字などで法人税額が生じない年度は控除できません。その場合は5年間繰り越せますが、毎年の確定申告書に明細書を添付し続ける必要があります。なお令和8年度の税制改正で、教育訓練費による上乗せは廃止されています。

PDFレポートには何が含まれますか?

画面では人件費の増加額と、必要な値上げ率・売上増・粗利改善をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、値上げによる客数減を織り込んだ試算、社会保険料の内訳、複数年にわたる累積負担、賃上げ促進税制による実質負担の軽減、社内や取引先への説明に使えるPDFレポートを提供します。

ご利用上の注意

  • 本シミュレーターの結果は概算です。実際の保険料は資格取得時の報酬月額の決定、定時決定、随時改定などにより変動します。
  • 最低賃金額未満の賃金しか支払っていない場合、その部分は無効となり最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。差額の支払い義務が生じ、罰則の対象にもなります。
  • 賃上げ促進税制の税額控除の見込額は概算です。適用の可否や控除額は、雇用者給与等支給額の正確な集計、助成金等の補塡額の控除、法人税額の状況によって変わります。
  • 個別の判断が必要な事項については、社会保険労務士・税理士にご確認ください。