利益改善

この席数で、売上はどこまで伸ばせる? 飲食店の売上上限と目標売上の逆算

飲食店の売上は「客単価 × 席数 × 回転数」で決まります。席数は簡単には増やせないので、売上には物理的な天井があります。いまの想定がその天井のどのあたりにあるのか、目標利益に届くには何が足りないのかを、昼と夜に分けて計算します。計算式は日本政策金融公庫「創業の手引+(飲食業)」に明記されているものに準拠しています。

無料・登録不要/2026-08-12 時点の公的データで計算

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計算方法の概要

  • 月商 = 時間帯ごとに(客単価 × 席数 × 回転数 × 営業日数)を計算して合算
  • この算式は日本政策金融公庫「創業の手引+(飲食業)」5 売上予測に明記されており、同資料は昼・夜に分けて算出し合算する方式を例示しています。
  • 月間利益 = 月商 − 売上原価(月商 × 原価率)− 人件費 − 家賃 − その他経費
  • 損益分岐となる月商 = 固定費 ÷(1 − 原価率)
  • 目標利益に必要な月商 =(固定費 + 目標利益)÷(1 − 原価率)
  • 売上は回転数にも客単価にも席数にも比例するため、必要な月商への倍率をそれぞれに掛ければ「必要な回転数」「必要な客単価」「必要な席数」が求まります。
  • 満席が続いた場合の天井は、入力された1日あたりの回転数の上限を、いまの昼夜の回転数の比率で配分して計算します。
  • FL比率 =(売上原価 + 人件費)÷ 月商。その他経費率 =(家賃 + その他経費)÷ 月商。この2つと営業利益率の合計は100%になります。

計算の前提条件

  • 金額はすべて税込で扱っています。比較に使う日本政策金融公庫の経営指標も税込ベースのため、そろえています。
  • 昼と夜の2区分で計算しています。曜日によって回転数が変わる場合は、営業日数を分けて何度か試算してください(公庫の記入例も平日と週末を分けています)。
  • 席数を増やすシミュレーションでは、回転数と客単価が変わらないものとしています。実際には席数を増やすと1席あたりの回転数は下がることが多いため、結果は楽観側に出ます。
  • 客単価を上げるシミュレーションでは原価率が変わらないものとしています。実際には値上げ分に原価はかからないため、利益はこの試算より大きくなります(保守側の試算です)。
  • 1日あたりの回転数の上限に公的な基準はありません。入力された値をそのまま使っています。
  • 人件費・家賃・その他経費は月額の固定費として扱い、売上が増えても変わらないものとしています。実際には売上に応じてアルバイトの時間が増えます。
  • 支払利息・減価償却費・税金は含めていません。

使用料率・出典

  • 売上予測の算式(本シミュレーターの計算根拠)客単価 × 席数 × 回転数
    適用開始日: 2025-09-01/最終確認日: 2026-08-12
    〈算式〉客単価 × 席数 × 回転数。同資料は昼・夜など時間帯ごとに客単価と回転数と稼働日数を分けて算出し合算する方式を例示しており、本シミュレーターはこれに準拠しています。
  • FL比率の目安FL60%/その他経費30%/営業利益10%
    適用開始日: 2026-03-01/最終確認日: 2026-08-12
    「FL比率=FLコスト(FOOD:材料費+LABOR:人件費)÷売上高」「60%が適正値の一つの目安、60%以下を目指していくことが内部でできる経営改善のポイント」と記載されています。同書は冒頭で「事業者支援の実務家の方々の知見・ノウハウを取りまとめたものであり、実務者の主観的な表現等を含みます」と断っており、統計や法令に基づく基準ではありません。
  • 業種別の原価率・人件費率の目安11業種
    適用開始日: 2025-09-01/最終確認日: 2026-08-12
    同資料は冒頭に「お店のコンセプトによって様々な業態が考えられるため、必ずしもデータが参考にならないケースもあります」と留保しています。
  • 1席あたり・1坪あたり売上高(実績値)業種別
    適用開始日: 2026-08-01/最終確認日: 2026-08-12
    対象は公庫国民生活事業の融資先のうち法人企業・従業者数50人未満。日本の飲食店全体の母集団ではありません。1客席当たり売上高は喫茶店とスナックのみの公表です。店舗面積は事務所・倉庫・車庫・厨房等を除いた面積で、金額は消費税込みです。平均値は赤字企業を含む単純平均のため、ばらつきの大きさを踏まえて中央値も併記しています。
  • 面積・席数の目安(坪あたり席数・厨房比率)法令上の基準ではない
    適用開始日: 2026-03-01/最終確認日: 2026-08-12
    同書に「〜大まかな目安〜」として掲載されている係数です。法令上の基準ではありません。1席あたりの必要面積を定めた全国一律の公的基準は存在しません。
  • 地代家賃の対売上高比率(実績値)飲食店 5.7%
    適用開始日: 2026-06-29/最終確認日: 2026-08-12
    公表実数(売上原価内の地代家賃+販管費内の地代家賃)÷売上高から当方で算出した比率です。自社所有物件の企業も分母に含まれ、店舗単独ではなく企業単位の数値で、地代家賃には本社・倉庫・駐車場も含まれます。目安ではなく実績値です。
  • 売上予想の達成率予想の50%未満が10.5%
    適用開始日: 2025-12-05/最終確認日: 2026-08-12
    予想月商達成率は、調査時点の平均月商を開業前に予想していた月商で割ったものです。全業種の集計で、飲食店単独の内訳はこの資料にはありません。回収2,165社・回収率25.4%。
  • 席数を増やすと防火管理者の選任義務が生じることがある消防法 第8条、消防法施行令 第1条の2、消防法施行規則 第1条の3第1項
    適用開始日: 2019-04-01/最終確認日: 2026-08-12
    飲食店は消防法施行令別表第一(3)項ロに該当します。長いす式のいす席の除数は0.5mです(0.4mは劇場等の値)。
  • 用途地域によって店舗の床面積に上限がある建築基準法 第48条・別表第二、建築基準法施行令 第130条の3・第130条の5の2
    適用開始日: 2018-04-01/最終確認日: 2026-08-12
    食品衛生法の営業許可の施設基準は衛生要件であり、客席数の上限を定める規定はありません。

よくあるご質問

この計算式にはどんな根拠がありますか?

日本政策金融公庫「新たに飲食業を始めるみなさまへ 創業の手引+(令和7年9月)」の「5 売上予測」に〈算式〉客単価 × 席数 × 回転数 と明記されています。同資料は客単価(昼)800円・(夜)3,500円、30席、回転数(昼)2回転・(夜)0.6回転、25日稼働で月商277万円という例示も載せており、本シミュレーターの初期値はこの例示をそのまま使っています。実際に計算すると2,775,000円になり、資料の表記と一致します。

なぜ昼と夜を分けるのですか?

同じ店でも昼と夜では客単価も回転数もまったく違うためです。公庫の資料も昼夜を分けて算出し合算する方式を例示しており、創業計画書の記入例では平日の夜と金土の夜までさらに分けています。単一の回転数で1本化すると、昼に強い店と夜に強い店の違いが消えてしまいます。

目標利益に届かないとき、何を変えればよいですか?

売上は回転数・客単価・席数のどれにも比例します。そのため必要な倍率は同じで、たとえば1.2倍の売上が必要なら「回転数を1.2倍にする」「客単価を1.2倍にする」「席数を1.2倍にする」のいずれでも計算上は届きます。実行しやすさはまったく違うので、本シミュレーターは3つとも並べて示します。一般に席数を増やすには投資と物件の制約があり、回転数は席数を増やすより早く効きます。

売上の天井(上限)はどう決まりますか?

席数と営業日数が決まっていれば、あとは回転数の上限で決まります。ただし「1日に何回転までが物理的な限界か」を定めた公的な基準はありません。滞在時間・ピークの長さ・提供スピードによって変わるためです。本シミュレーターでは上限を利用者に入力していただき、その値を昼夜の現在の比率で配分して天井を計算します。こちらで勝手に「何回転が限界」と決めることはしません。

FL比率は60%以内に収めるべきですか?

60%という目安は、金融庁の委託事業でまとめられた支援マニュアル『業種別支援の着眼点』飲食業編に「60%が適正値の一つの目安」と記載されています。同書はFLコスト60%・その他経費30%・営業利益10%という費用配分も示しています。ただし同書自身が「実務家の知見・ノウハウを取りまとめたもので、主観的な表現等を含む」と断っており、統計や法令に基づく基準ではありません。なお「食材費30%・人件費30%」という内訳は、この資料にも公庫の資料にも見当たりませんでした。

席数は店の広さからどのくらいが目安ですか?

『業種別支援の着眼点』に「〜大まかな目安〜」として、客席1坪あたり高級店1.0席・ゆったり1.5席・標準2.0席・回転重視2.5席という係数と、厨房と客席の面積配分(レストランは厨房40%・客席60%、単品勝負は30%・70%、飲料中心は20%・80%)が載っています。ただしこれも法令上の基準ではありません。1席あたりの必要面積を定めた全国一律の公的基準は存在しません。

席数を増やすと何か手続きが必要になりますか?

飲食店は消防法上の特定防火対象物にあたり、収容人員が30人以上になると防火管理者の選任と届出が必要になります。収容人員は席数そのものではなく、従業者の数と客席部分から法定の方法で算定します。また建築基準法により用途地域ごとに店舗の床面積の上限があり、これが席数の物理的な上限を決めます。なお食品衛生法には客席数の上限を定める規定はありません(施行規則を検索しても「客席」「席数」という語は出てきません)。

PDFレポートには何が含まれますか?

画面では、昼夜別の月商と月間利益、損益分岐となる売上と1日あたりの必要客数、目標利益に必要な回転数・客単価・席数、満席時の天井をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、回転数別・客単価別・席数別のシミュレーション表、売上予想が外れた場合の損益、1席あたり・1坪あたり売上の業種比較、席数に関わる法令上の注意点、社内説明や融資相談に使えるPDFレポートを提供します。

ご利用上の注意

  • 本シミュレーターの結果は概算です。
  • 売上予測は想定した回転数が実現した場合の数字です。中小機構の開業ガイドも「1日の回転数4が確保できた場合に見込める売上であるため、オープン当初から達成できるとは限らない」と注意しています。日本政策金融公庫の新規開業実態調査では、開業前に予想していた月商の50%に届かなかった事業者が10.5%あります。
  • FL比率60%以内という目安は、金融庁の委託事業でまとめられた支援マニュアル『業種別支援の着眼点』に記載されているものです。ただし同書は「実務家の知見・ノウハウを取りまとめたもので、実務者の主観的な表現等を含む」と自ら断っており、統計や法令に基づく基準ではありません。
  • 「食材費30%・人件費30%」という内訳や「家賃は売上の10%以内」という数値については、公的な裏付けを確認できませんでした。
  • 席数に関する法令上の制約は、食品衛生法ではなく消防法(収容人員)と建築基準法(用途地域ごとの床面積上限)によるものです。実際の判断は所轄の消防署・特定行政庁にご確認ください。