利益改善

高圧電気料金のデマンド・力率シミュレーター

高圧受電の電気料金は、使った量よりも「いちばん使った30分間」で決まる部分があります。契約電力は当月を含む過去12か月の最大需要電力で決まり、基本料金はその契約電力に単価を掛け、さらに力率で1%刻みに増減します。このシミュレーターは、検針票(電気ご使用量のお知らせ)の単価と過去12か月の最大需要電力から、いまの電気料金と、デマンドを下げた場合・力率を改善した場合の削減額を計算します。高圧の単価には公的な統一価格がなく、小売電気事業者との契約ごとに異なります。そのため相場は提示せず、お手元の検針票の数字を入れていただく設計にしています。

無料・登録不要/2026-08-13 時点の公的データで計算

入力フォームを読み込んでいます…

計算方法の概要

  • 契約電力 = 当月を含む過去12か月の最大需要電力の最大値(実量制)。最大需要電力は30分単位で計量された平均電力のうち、その月で最も大きかった値です。一度ピークを作ると12か月にわたって基本料金を縛り、その月から12か月が経つと選択の対象から外れます。
  • 実量制が適用されるのは、高圧で契約電力が500kW未満の場合です。500kW以上と特別高圧は協議制になり、過去12か月の最大値では決まりません。入力値が500kW以上のときは実量制の計算を適用せず、その旨を表示します。
  • 基本料金 = 基本料金単価 × 契約電力 ×(1 +(85 − 力率%)÷ 100)。力率が85%を上回る1%につき1%割引され、下回る1%につき1%割増されます。高圧・特別高圧のみの扱いで、低圧には力率割引がありません。
  • 力率は100%を超えません(進み力率は100%とみなされます)。したがって割引の上限は15%です。
  • 電力量料金 = 電力量料金単価 × 月間使用電力量。デマンドを下げても、使用電力量が変わらなければ電力量料金は変わりません。
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金 = 4.18円/kWh × 月間使用電力量。経済産業省が年度ごとに公示する全国一律の単価で、契約している小売電気事業者にかかわらず同じです(2026年5月検針分から2027年4月検針分まで)。
  • 端数処理は約款どおりに行います。電力は1kW単位で小数点以下第1位を四捨五入し、高圧で算定値が0.5kW未満のときは1kWとします。力率は1%単位で小数点以下第1位を四捨五入します。料金の合計金額は1円単位とし、端数は切り捨てます。
  • 年額は、現在の契約電力がそのまま12か月続いた場合の金額です。実際の契約電力は月ごとに動くため、その推移は詳細分析の月次表でご確認ください。

計算の前提条件

  • 基本料金単価・電力量料金単価は、入力していただいた値をそのまま使います。高圧の単価に公的な統一価格はないため、相場による補正は行いません。検針票の単価をご確認ください。
  • 使用電力量と力率は毎月同じであるものとして計算しています。実際には季節によって変わります。
  • 力率は、毎日午前8時から午後10時までの平均力率です。夜間の力率は計算に入りません。入力していただいた値をこの平均力率として扱います。
  • デマンドを下げる効果は基本料金にのみ反映します。ピークをずらして最大需要電力を下げても、使用電力量そのものが減るとは限らないためです。使用量も減らせる場合は、電力量料金の削減分が別に生じます。
  • 力率改善の効果も基本料金にのみ反映します。力率改善による配電損失の減少は考慮していません。
  • 内訳の各項目は表示のために円未満を切り捨てているため、内訳の単純合計と合計金額が1円ずれることがあります。合計金額は約款どおり、切り捨て前の値を合算してから1円未満を切り捨てています。
  • 消費税は含めていません。検針票の税抜の単価と金額でご確認ください。燃料費調整額・電源調達調整費のように毎月変動する項目も含めていません。
  • 託送供給等約款には、まったく電気を使用しない月の基本料金を半額とする定めがあります。休止月がある場合は実際の請求額と異なります。

使用料率・出典

よくあるご質問

契約電力(デマンド)はどうやって決まりますか。一度上がると下がらないのですか。

高圧で契約電力が500kW未満の場合は実量制といって、当月を含む過去12か月の最大需要電力のうち、いちばん大きい値がそのまま契約電力になります。最大需要電力は30分ごとに計量された平均電力の、その月の最大値です。一度ピークを作ると12か月にわたって基本料金を縛りますが、下がらないわけではありません。そのピークを記録した月から12か月が経つと、その値は選択の対象から外れ、契約電力は次に大きい月の水準まで下がります。つまり「いつ外れるか」があらかじめ分かります。本シミュレーターは、入力していただいた12か月の数字から、どの月のピークに縛られているか、それが何か月後に外れるかを表示します。さらに詳細分析とPDFレポートでは、その後の月次の推移まで示します。

デマンドを超えると1.5倍の罰金がかかると聞きました。本当ですか。

一般化すると誤りです。契約超過金として1.5倍を乗じる規定そのものは約款に実在しますが、実量制(契約電力500kW未満)では契約電力が最大需要電力から自動的に決まるため、定義上そもそも超過という状態が生じにくい仕組みです。この規定が意味を持つのは、契約電力をあらかじめ取り決める協議制(500kW以上)の場合が主になります。実量制で起きるのは「罰金」ではなく、「新しいピークがそのまま契約電力になり、以後12か月の基本料金が上がる」ことです。罰金という言葉より、この12か月の縛りのほうがはるかに金額の大きい話です。

力率を上げるとどれくらい安くなりますか。上限はありますか。

力率が85%を上回る1%につき、基本料金が1%割引されます。下回る場合は1%につき1%の割増です。力率は100%を超えず(瞬間力率が進み力率になる場合は100%とみなされます)、したがって割引の上限は15%です。金額にすると「基本料金単価 × 契約電力 × 1% × 12か月」が力率1%あたりの年間削減額になります。契約電力が大きいほど1%の値打ちが上がります。なお、この割引が適用されるのは高圧・特別高圧で供給を受けている場合だけで、低圧には力率割引の制度がありません。

検針票の力率は月の平均値ですか。

月間の平均ではありません。約款が対象としているのは、毎日午前8時から午後10時までの時間における平均力率です。夜間の力率は計算に入りません。ここを取り違えている解説が少なくありませんが、実務上は重要な違いです。夜間に無効電力が増える運転をしていても割増にはならない一方、日中の力率が悪ければ夜間に良くても救われません。平均力率そのものは「有効電力量 ÷ √(有効電力量² + 無効電力量²)× 100」で求められ、有効電力量が0の場合は85%とみなす定めがあります。

基本料金単価の相場はいくらですか。なぜ入力させるのですか。

高圧の基本料金単価に公的な統一価格はありません。高圧は2005年4月に小売が自由化されており、料金は小売電気事業者との契約で決まります。2016年の全面自由化後に経過措置として残った規制料金の対象は低圧だけで、唯一の例外だった沖縄本島エリアの高圧も2026年4月1日に規制が解除されました。そのため相場を提示することはしません。ただし「高圧に公的な単価が一つも存在しない」わけではなく、電気事業法20条の最終保障供給約款と21条の離島等供給約款[高圧用]には、大臣に届け出られた高圧の単価が円銭単位で公表されています。ただし最終保障供給は約款の説明自身が「標準的な料金プランの1.2倍程度」と明記しているため、目安として流用することはできません。なお、料金のうち送配電網の利用料にあたる託送料金は経済産業大臣の認可を受けた公的な数値で、東京電力パワーグリッドの高圧標準接続送電サービスでは基本料金単価653円87銭/kW・電力量料金単価1円84銭/kWh(消費税等相当額を含む)と定められています。これは小売の単価そのものではなく、その中に含まれる原価の一部です。

契約電力が500kW以上の場合も使えますか。

料金の計算そのものは同じ式で行えますが、契約電力の決まり方が違います。実量制が適用されるのは高圧で契約電力が500kW未満の場合だけで、500kW以上と特別高圧は協議制です。協議制では契約電力を一般送配電事業者との協議であらかじめ定めるため、過去12か月の最大値で自動的に決まるわけではありません。本シミュレーターは、入力された値から算定した契約電力が500kW以上になった場合、実量制の計算を適用せず、その旨を表示します。ピークを抑えることが基本料金の削減につながる点は変わりませんが、契約電力の変更には協議が必要です。

電力会社が公開している試算ツールとは何が違いますか。

東京電力エナジーパートナーが高圧・特別高圧向けの簡易試算を公開していますが、試算できるのは同社の3プランに限られます。また、試算条件に「各月の基本料金については、力率100パーセントとして算定しております」「再生可能エネルギー発電促進賦課金……は含まれておりません」と明記されています。本シミュレーターは契約先を問わず、検針票の単価をそのまま使います。力率は100%固定にせず実際の値で計算し、再エネ賦課金も含めるかどうかを選べます。加えて、実量制の12か月のラグ——いつピークが外れて契約電力が下がるか——を月ごとに示します。プランを選ぶための道具ではなく、いまの契約のまま何をすればいくら下がるかを見るための道具です。

再エネ賦課金は契約先を変えれば安くなりますか。

なりません。再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は経済産業省が年度ごとに公示する全国一律の値で、低圧・高圧・特別高圧に同じ単価が適用されます。契約している小売電気事業者にかかわらず同額です。現在は4.18円/kWh(2026年5月検針分から2027年4月検針分まで)で、前年度の3.98円/kWhから改定されました。適用は暦の年度ではなく検針分を基準にします。使用電力量に単価を掛けるため、賦課金を減らす方法は使用電力量そのものを減らすことだけです。デマンドを下げても、使用電力量が変わらなければ賦課金は変わりません。

PDFレポートには何が含まれますか?

画面では、現在の契約電力とその根拠になっている月、月額・年額の電気料金、デマンドを1kW下げたときの年間削減額、目標デマンドと目標力率を達成した場合の削減額をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、今後12か月の契約電力の推移(どの月のピークに縛られ、いつ外れて料金が下がるか)、ピーク月を1つ抑えた場合に契約電力がどこまで下がるかの逆算、力率改善設備の投資回収年数、再エネ賦課金を含めた年額の内訳、デマンド削減と力率改善のどちらが費用対効果に優れるかの比較、そして社内説明に使えるPDFレポートを提供します。

ご利用上の注意

  • 本シミュレーターの結果は概算です。実際の請求額は、契約している小売電気事業者の料金メニュー、燃料費調整額、各種の調整項目によって変わります。
  • 高圧の基本料金単価・電力量料金単価には公的な統一価格がありません。2005年4月に高圧の小売が自由化され、経過措置として残った規制料金(特定小売供給約款)の対象は低圧だけです。唯一の例外だった沖縄本島エリアの高圧も2026年4月1日に規制が解除されました。そのため本シミュレーターは相場を提示せず、検針票の単価を入力していただく設計にしています。
  • ただし「高圧に公的な単価が一つも存在しない」わけではありません。電気事業法20条の最終保障供給約款と21条の離島等供給約款[高圧用]は、一般送配電事業者が大臣に届け出て公表している高圧の料金です。ただし最終保障供給は約款の説明自身が標準的な料金プランの1.2倍程度と明記しているため、一般的な高圧料金の目安には使えません。
  • 実量制(過去12か月の最大値で契約電力が決まる仕組み)が適用されるのは契約電力500kW未満です。500kW以上および特別高圧は協議制で、契約電力は12か月の最大値では決まりません。
  • 契約電力・力率・料金の算定方法は一般送配電事業者ごとの約款に定められています。本シミュレーターは東京電力パワーグリッドの託送供給等約款で条項を確認していますが、実量制と力率割引の考え方は各社に共通しています。細部はご自身のエリアの約款でご確認ください。
  • デマンド対策や力率改善設備の導入にあたっては、電気主任技術者・電気工事業者にご相談ください。進相コンデンサは容量が過大だと進み力率となり、設備に別の負担がかかることがあります。