利益改善
損益分岐点売上はいくら? あといくら落ちたら赤字になるか
損益分岐点は「固定費 ÷ 限界利益率」で求まります。難しいのは計算ではなく、どの費目を変動費に入れてどれを固定費に入れるかの判断です。このシミュレーターは費目ごとに入力していただき、変動費率を自動で出します。分け方に迷ったときのために、中小企業庁が示している業種別の費用分解基準も画面に表示します。あわせて「あと何%売上が落ちたら赤字になるか」と、値上げ・数量増・変動費削減・固定費削減という4つの打ち手の効き方の違いを比較します。
無料・登録不要/2026-08-13 時点の公的データで計算
入力フォームを読み込んでいます…
計算方法の概要
- 限界利益 = 売上高 − 変動費
- 限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高
- 営業利益 = 限界利益 − 固定費
- 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
- 損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 売上高
- 安全余裕率 = 100% − 損益分岐点比率。これがそのまま「赤字になるまでに許される売上の減少率」になります。
- 目標利益に必要な売上高 =(固定費 + 目標利益)÷ 限界利益率
- 限界利益率が0以下の場合、売上をいくら増やしても固定費を回収できないため、損益分岐点を算定しません。
計算の前提条件
- 売上高・費用の期間(年間か月間か)は揃えて入力してください。どちらでも計算は同じです。
- 変動費は売上に比例して増減し、固定費は売上が変わっても一定であるという前提で計算しています。実際には段階的に増える費用(人員を1人増やすなど)もあります。
- 値上げのシミュレーションでは、販売数量が変わらないものとしています。値上げによる客数減は含んでいません。
- 数量増のシミュレーションでは、変動費も同じ比率で増えるものとしています。
- 費目削減のシミュレーションでは、その費目だけを削減し、他の費目や売上に影響がないものとしています。
- 減価償却費は固定費として扱っていますが、現金の支出を伴いません。資金繰りを見るときは別に扱ってください。
- 消費税は含めていません。税抜で統一してください。
使用料率・出典
- 損益分岐点売上高・安全余裕率の定義固定費 ÷ 限界利益率適用開始日: 2004-01-01/最終確認日: 2026-08-13損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)。目標利益を織り込む場合は(固定費 + 目標利益)÷(1 − 変動費率)。安全余裕率の定義は同機構のビジネスQ&A(https://j-net21.smrj.go.jp/qa/financial/Q0240.html)に「(売上高 − 損益分岐点売上高)÷ 売上高 × 100%」として示されています。
- 損益分岐点比率の実績平均(2022年度)大企業47.9% / 中規模83.6% / 小規模89.5%適用開始日: 2024-04-01/最終確認日: 2026-08-132022年度時点の実績平均です。同白書は損益分岐点比率を「売上高が現在の何%未満の水準になると赤字になるかを表す指標であり、売上高の減少に対する耐性を示す」と説明していますが、目標値は示していません。目安ではなく実績値としてご覧ください。
- 変動費・固定費の業種別分類基準製造業・卸売業・小売業・建設業適用開始日: 2003-04-01/最終確認日: 2026-08-13出典である『中小企業の原価指標』は平成15年度調査が最終版で、分類基準は以降更新されていません。ただし中小企業庁の現行ページに掲載され続けています。原文には「固定費か変動費かが不明な費用は固定費に算入しておけば固めの計算が出来ます」という運用指針も付されています。業種平均の変動費率などの数値は最新の公的統計が存在しないため、自社の実額を入力してください。
よくあるご質問
損益分岐点比率は何%以下なら安全ですか?
「何%以下なら優良」という目標値は、公的資料に基準として示されているものを確認できませんでした。「80%以下が優良」という数値が広く使われていますが、根拠として示されている公的資料はありません。一方、実績の平均値は公表されています。中小企業庁「2024年版 小規模企業白書」が財務省「法人企業統計調査年報」をもとに示している2022年度の損益分岐点比率は、大企業47.9%・中規模企業83.6%・小規模企業89.5%です。小規模企業の平均が89.5%ということは、平均的な小規模企業は売上が1割落ちるとほぼ赤字になる水準にある、という意味になります。これは目標ではなく実績なので、「平均を下回っていれば安心」という読み方はできません。適切な水準は業種の固定費構造と売上の変動幅で変わります。本シミュレーターは「あと何%落ちたら赤字になるか」という形でお示ししますので、その数字と自社の売上の振れ幅を見比べてください。
どの費目を変動費にすればよいですか?
中小企業庁が業種別の分類基準を示しています。「中小企業BCP策定運用指針」に、中小企業庁編『中小企業の原価指標』の費用分解基準が業種別に掲載されており、迷ったときの拠り所になります。注意が必要なのは、この基準では製造業の直接労務費が固定費、建設業の労務費が変動費とされている点です。一般的な管理会計の教科書では直接労務費を変動費として扱うことが多く、逆になっています。また卸売業では車両燃料費・車両修理費・保険料を変動費と固定費に50%ずつ配分し、小売業では全額固定費とします。原文には「固定費か変動費かが不明な費用は固定費に算入しておけば固めの計算が出来ます」という指針も添えられています。なお出典の調査シリーズは既に廃止されており、分類基準は平成15年(2003年)以降更新されていません。本シミュレーターでは業種を選ぶと該当する分類が入力欄の下に表示されます。
利益を増やすには、値上げと固定費削減のどちらが効きますか?
同じ金額なら、値上げが最も効きます。値上げで増えた売上には変動費がかからないため、増加分がそのまま利益になるからです。数量を増やす場合は変動費も増えるので、残るのは限界利益率の分だけです。既定値(限界利益率40%)では、5%の値上げが500万円の利益増になるのに対し、5%の数量増は200万円にとどまります。ただし値上げには客数減のリスクがあり、この試算には含めていません。
損益分岐点を下げるには、変動費と固定費のどちらを削るべきですか?
直感に反しますが、黒字の会社では**固定費を1円削るほうが損益分岐点は大きく下がります**。固定費を1円削ると損益分岐点は「1÷限界利益率」円下がります(限界利益率40%なら2.5円)。変動費を1円削ると限界利益率そのものが上がりますが、損益分岐点の下がり方は「損益分岐点比率×1÷限界利益率」にとどまります。損益分岐点比率が100%を下回っている限り、後者のほうが小さくなります。なお利益の増加額はどちらも削減額と同じで、差が出るのは損益分岐点の下がり方だけです。
安全余裕率と「赤字になるまでに許される売上減少率」は同じものですか?
同じです。安全余裕率は「いまの売上が損益分岐点よりどれだけ上にあるか」を割合で表したものなので、その分だけ売上が落ちるとちょうど損益分岐点に到達します。定義から導かれる関係なので、必ず一致します。
PDFレポートには何が含まれますか?
画面では、損益分岐点売上高・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益に必要な売上・売上が落ちた場合の利益をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、4つの打ち手(値上げ・数量増・変動費削減・固定費削減)の効き方の比較、売上増減シナリオ表、費目ごとに10%削減した場合の利益増と損益分岐点の低下額を大きい順に並べた一覧、社内説明や金融機関提出に使えるPDFレポートを提供します。
ご利用上の注意
- 本シミュレーターの結果は概算です。
- 「損益分岐点比率80%以下が優良」「安全余裕率20%以上が目安」といった目標値については、公的機関の資料に基準として示されているものを確認できませんでした。民間で広く使われている経験則です。本シミュレーターは目標値による判定を行わず、比率と「あと何%落ちたら赤字になるか」という定義上必ず正しい数字をお示ししたうえで、公的統計に基づく実績平均との位置関係を添えます。
- 比較に用いる損益分岐点比率の平均値(大企業47.9%・中規模企業83.6%・小規模企業89.5%)は2022年度の実績であり、目標値ではありません。「平均を下回っていれば安全」という意味ではありません。
- どの費目を変動費とするかは業種と自社の実態によって変わり、一律の正解はありません。分け方を変えると損益分岐点も変わります。表示している中小企業庁の分類基準は、出典の調査シリーズが平成15年度で廃止されており、以降更新されていません。
- 「経営安全率」という呼称は公的資料で確認できなかったため、本シミュレーターでは「安全余裕率」を用いています。
- 実際の経営判断にあたっては、顧問税理士や中小企業診断士にご相談ください。