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この物件、家賃はいくらまで出せる? 適正家賃と家賃負担率

「家賃は売上の10%以内」とよく言われますが、この数値に公的な裏付けは見当たりませんでした。粗利率65%の飲食店と粗利率25%の物販では、同じ家賃でも意味がまったく違います。このシミュレーターは目安を判定基準に使わず、自社の粗利率と固定費から「赤字にならない家賃の上限」と「目標利益を確保できる家賃」を逆算します。あわせて保証金・礼金・内装費まで含めた実質の家賃負担と、初期費用の税務上の扱いも示します。

無料・登録不要/2026-08-12 時点の公的データで計算

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計算方法の概要

  • 家賃負担率 = 月額賃料 ÷ 月商
  • 月間利益 = 月商 × 粗利率 − 月額賃料 − 家賃以外の固定費
  • 赤字にならない家賃の上限 = 月商 × 粗利率 − 家賃以外の固定費
  • 目標利益を確保できる家賃の上限 = 月商 × 粗利率 − 家賃以外の固定費 − 目標利益
  • 損益分岐となる月商 =(月額賃料 + 家賃以外の固定費)÷ 粗利率
  • 家賃だけを粗利で賄うのに必要な月商 = 月額賃料 ÷ 粗利率
  • 実質の月額家賃 = 月額賃料 + 戻ってこない初期費用 ÷ 契約期間の月数
  • 戻ってこない初期費用 = 初期費用の総額 − 返還される保証金・敷金

計算の前提条件

  • 金額はすべて税抜です。建物の貸付けは消費税の課税取引ですが、土地の貸付けは非課税です。
  • 月額賃料には共益費・管理費を含めて入力してください。
  • 想定した月商が実現する前提で計算しています。家賃は固定費のため、売上が落ちると家賃負担率は跳ね上がります。
  • 実質の月額家賃は、戻ってこない初期費用を契約期間で均等に割り振ったものです。会計上の償却とは異なります。
  • 内外装工事費と設備什器費は減価償却の対象になりますが、耐用年数が資産ごとに異なるため、本シミュレーターでは金額の把握にとどめています。
  • 売上歩合賃料(売上に応じて変動する賃料)には対応していません。固定賃料として入力してください。
  • 更新料・原状回復費用は含めていません。契約書で確認してください。

使用料率・出典

  • 地代家賃の対売上高比率(実績値・目安ではない)産業大分類・中分類別
    適用開始日: 2026-06-29/最終確認日: 2026-08-12
    公表実数の(売上原価内の地代家賃 + 販管費内の地代家賃)÷ 売上高から当方で算出した法人企業の比率です。個人企業は売上原価の内訳が非集計のため算出していません。
  • 初期費用の税務上の取扱い繰延資産は原則5年償却/20万円未満は一括損金
    適用開始日: 2007-04-01/最終確認日: 2026-08-12
    法人税法施行令第14条第1項第6号ロ・第64条第1項第2号・第134条、法人税基本通達8-1-5・8-2-3、消費税法基本通達5-4-3。個人事業主も所得税法施行令第7条第1項第3号ロに同趣旨の規定があります。
  • 事業用の定期借家には、法律上の中途解約権がありません借地借家法 第38条/民法 第617条・第618条
    適用開始日: 1992-08-01/最終確認日: 2026-08-12
    借地借家法は用途を限定せず建物賃貸借一般に適用されます。居住用に限定されている規定は第38条第7項のみです。
  • 開業費用平均975万円/中央値600万円
    適用開始日: 2025-12-05/最終確認日: 2026-08-12
    回収2,165社・回収率25.4%。開業費用の総額と分布、資金調達額は公表されていますが、物件取得費・内装工事費などの費目別内訳を集計した公的統計は確認できませんでした。中小機構J-Net21の業種別開業ガイドには費目の分類とモデル数値がありますが、統計ではありません。
  • 敷金・保証金の相場統計ではなく実務的な幅の説明
    適用開始日: 2024-01-01/最終確認日: 2026-08-12
    中小企業基盤整備機構のJ-Net21は「敷金は賃借人の債務の担保として貸主が預かるもので、賃料の2〜12か月分くらいが多い」「保証金も敷金と同じ意味で使われることが多い」「礼金が発生する店舗賃貸は多くない」と説明しています。ただしこれは統計調査に基づく数値ではなく実務的な幅の説明のため、既定値としてではなく入力の目安としてご覧ください。

よくあるご質問

家賃は売上の何%以内に収めるべきですか?

公的な基準は見当たりませんでした。適切な水準は粗利率と他の固定費によって変わります。粗利率65%の飲食店なら家賃1円につき1.5円の売上で賄えますが、粗利率25%の物販では4円の売上が必要です。同じ家賃比率でも意味が違います。本シミュレーターは「赤字にならない家賃の上限」と「目標利益を確保できる家賃の上限」を自社の数字から逆算します。これは定義上必ず正しく、通説に依存しません。

業種別の数値は目安として使えますか?

目安ではなく実績値としてご覧ください。中小企業実態基本調査の公表実数から算出したもので、実際にそうなっているという統計です。ただし自社所有の物件で家賃が発生しない企業も分母に含まれるため、賃借している事業者だけの平均より低く出ます。また「地代家賃」には土地の地代や本社・倉庫・駐車場の賃料も含まれ、企業単位の集計であって1店舗あたりではありません。相対的な位置を知る材料としてお使いください。

保証金や礼金は経費になりますか?

分かれます。契約終了後に返還される保証金・敷金は資産として計上し、支出した時点では費用になりません。返還されない礼金・権利金・敷引きは繰延資産にあたり、原則5年で償却します。ただし契約による賃借期間が5年未満で、更新に際して再び支払を要することが明らかであるときは、その賃借期間で償却します。金額が20万円未満なら、支出した年度に一括で損金にできます。仲介手数料は繰延資産にせず、支払った年度の損金にできます。

契約期間の途中で解約できますか?

事業用の定期借家契約には、法律上の中途解約権がありません。定期借家の中途解約の特例は、居住用かつ床面積200㎡未満の建物に限られているためです。また期間の定めがある賃貸借では、契約書に中途解約の条項がなければ、借主から期間内に一方的に解約することはできないのが原則です。条項がある場合でも、予告期間や違約金(残存期間の賃料相当額など)が定められていることが多いため、契約前に必ず確認してください。

普通借家と定期借家はどちらが有利ですか?

借主にとっては普通借家の方が保護が厚くなります。普通借家では、貸主からの更新拒絶や解約申入れに正当の事由が必要で、期間満了の1年前から6か月前までに通知がなければ法定更新されます。また賃料が不相当になったときは減額を請求できます。定期借家では更新がなく、賃料改定の特約があると減額請求ができません。一方で定期借家は賃料が安く設定されることもあるため、条件全体で比較してください。

開業費用の相場はいくらですか?

日本政策金融公庫の新規開業実態調査によると、開業費用は平均975万円・中央値600万円です。250万円未満が20.1%、250万〜500万円未満が21.7%で、この2区分で4割以上を占めます。ただし物件取得費・内装工事費といった費目別の内訳を集計した公的統計は確認できませんでした。中小機構の業種別開業ガイドには費目の分類とモデル数値がありますが、これは統計ではなくモデルケースです。

PDFレポートには何が含まれますか?

画面では、家賃負担率と業種の実績値との比較、赤字にならない家賃の上限、目標利益を確保できる家賃、損益分岐となる月商、初期費用を含めた実質の家賃負担、初期費用の税務上の区分をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、賃料別のシミュレーション、売上が想定に届かなかった場合の家賃負担率の変化、初期費用の回収期間、繰延資産の償却スケジュール、事業用賃貸借契約の注意点、業種別の実績値一覧、社内説明や融資相談に使えるPDFレポートを提供します。

ご利用上の注意

  • 本シミュレーターの結果は概算であり、税務上の取扱いを保証するものではありません。
  • 「家賃は売上の10%以内」「小売は8〜12%」といった数値は、中小企業庁・中小企業基盤整備機構・日本政策金融公庫・厚生労働省のいずれの資料にも基準として見当たりませんでした。日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」には、原価率や人件費率は収録されている一方で「地代家賃対売上高比率」という指標項目自体がありません。民間の経験則です。
  • 比較に用いている業種別の数値は、中小企業実態基本調査の公表実数から算出した実績値であり、目安ではありません。自社所有の物件で家賃が発生しない企業も分母に含まれ、また土地の地代や本社・倉庫・駐車場の賃料も含まれるため、店舗単独の家賃比率より低く出ます。「この値以下でないと危険」という読み方は誤りです。
  • 事業用の定期借家契約には、法律上の中途解約権がありません。契約書に中途解約の条項がなければ、期間内に借主から一方的に解約することはできないのが原則です。
  • 初期費用の税務上の取扱いは、実際の契約内容によって変わります。必ず顧問税理士にご相談ください。