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補助金の実質手残りはいくら? 補助率2/3でも自己負担は1/3になりません
補助率2/3の補助金であっても、自己負担が投資額の1/3で済むことはまずありません。補助率がかかるのは補助対象経費だけであり、そこには補助上限のキャップがかかり、本則課税の課税事業者であれば消費税は補助対象から除かれ、受け取った補助金は益金として課税され、しかも入金は補助事業がすべて終わったあとです。このシミュレーターは、その6つの要因を金額に分解して、実際に手元から出ていく額を積み上げます。圧縮記帳が減税ではなく繰延べであること、精算払いのために総投資額の全額をいったん立て替える必要があることも、年度別の表と時間軸で確認できます。
無料・登録不要/2026-08-13 時点の公的データで計算
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計算方法の概要
- 交付見込額 = min(補助対象経費 × 補助率, 補助上限額)
- 補助率をかける金額は課税区分で変わります。本則課税の課税事業者は、現行の中小企業庁系の補助金では消費税相当額があらかじめ減額されるため税抜、免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の適用者は小規模事業者持続化補助金において税込で申請できます。
- 消費税の控除・還付見込額 = 課税仕入れとなる額(税込)× 10/110。本則課税の課税事業者だけが仕入税額控除で回収できます。
- 消費税仕入控除税額の返還額は、税込で交付を受ける方式のときだけ生じます。全額控除であれば 補助金額 × 10/110 です。
- 補助金にかかる当期の法人税等 = (交付見込額 − 圧縮記帳の対象額)× 実効税率
- 圧縮記帳の対象額は、交付見込額のうち固定資産の取得・改良に充てた部分です。広告費・旅費など固定資産を伴わない経費に充てた部分は対象になりません。
- 実質自己負担額 = 総投資額(税込)− 交付見込額 − 消費税の控除・還付見込額 + 補助金にかかる当期の法人税等 + 消費税仕入控除税額の返還額
- 実質自己負担率 = 実質自己負担額 ÷ 総投資額(税込)。総投資額が0円のときは算定しません。
- つなぎ資金の支払利息 = 借入額 × 年利 × 立て替え月数 ÷ 12(単利・期日一括返済の前提)。支払利息は補助対象外経費であり、上の実質自己負担額には含めていません。
- 圧縮記帳を適用した場合の後年度の税負担 = (圧縮額 ÷ 耐用年数)× 実効税率 を耐用年数にわたって計上します。通期の税額は圧縮記帳を適用しない場合と一致します。
計算の前提条件
- 金額はすべて税込で入力してください。総投資額のうち課税仕入れとなる額は別に入力できます(土地の購入費など非課税・不課税の支出がある場合に使います)。
- 補助対象経費は全額が標準税率10%の課税仕入れであるものとして計算しています。軽減税率の対象や非課税の支出が補助対象経費に含まれる場合、税抜換算がずれます。
- 消費税の還付見込額は、課税売上割合が95%以上で全額控除できることを前提とした概算です。一括比例配分方式や個別対応方式による場合、控除できる額は変わります。
- 補助金は補助対象経費に按分して充てられたものとみなし、そのうち固定資産の取得に充てた割合だけを圧縮記帳の対象としています。実際の充当関係は交付申請の内容によります。
- 減価償却は定額法・期首取得を前提とした年単位の概算です。月数按分、定率法、特別償却との併用は考慮していません。
- つなぎ資金の利息は単利・期日一括返済で計算しています。分割返済であれば実際の利息はこれより少なくなります。保証料・事務手数料は含みません。
- 補助率・補助上限・補助下限はプリセットからも選べますが、いずれも参考値です。公募回ごとに改廃されるため、必ず最新の公募要領でご確認ください。
- 収益納付、処分制限財産の処分による納付、賃上げ等の要件未達による返還は、金額としては計算に含めていません。
使用料率・出典
- 補助金の課税上の取扱い(益金算入)法人税法22条2項適用開始日: 1965-04-01/最終確認日: 2026-08-13
- 圧縮記帳(国庫補助金等で取得した固定資産等)圧縮後の金額が償却の基礎適用開始日: 2022-04-01/最終確認日: 2026-08-13
- 補助金と消費税(不課税収入・仕入税額控除)事前減額(税抜)方式適用開始日: 2019-10-01/最終確認日: 2026-08-13消費税法60条4項の特定収入による控除制限は、国・地方公共団体の特別会計、別表第三に掲げる法人、公益信託受託事業者、人格のない社団等に限って適用されるもので、株式会社や個人事業主には適用されません。
- 消費税及び地方消費税の税率標準税率 10%適用開始日: 2019-10-01/最終確認日: 2026-08-12標準税率10%(消費税7.8%+地方消費税2.2%)。業務委託などの役務提供は原則すべて標準税率。
- 精算払い(後払い)の根拠補助金適正化法14条・15条適用開始日: 1955-08-27/最終確認日: 2026-08-13
- 法人実効税率(初期値)29.74%適用開始日: 2018-04-01/最終確認日: 2026-08-12地方税は標準税率、大法人向け事業税所得割を前提とした数値です。所得800万円以下の部分に軽減税率が適用される中小法人や、欠損法人では実際の負担率は下がります。あくまで目安としてご覧ください。
- 補助率・補助上限のプリセット(参考値)公募回ごとに改廃されます適用開始日: 2026-06-29/最終確認日: 2026-08-13補助率・補助上限・特例は公募回ごとに改廃されます。ここに掲げた数値は令和8年8月13日時点で確認したもので、申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。なお「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は第23次公募が最後となり、中小企業新事業進出補助金と統合されて2026年6月29日に「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」第1回公募が開始されました。
よくあるご質問
補助率2/3なら、自己負担は1/3ではないのですか?
補助対象経費に対する名目上の割合としては正しいのですが、実際に手元から出ていく金額の割合とは一般に一致しません。ずれる理由は6つあります。第一に、交付額は「補助対象経費 × 補助率」と「補助上限額」の小さいほうなので、上限に達するとそれを超える部分には実質的に補助がつきません。第二に、補助率がかかるのは補助対象経費だけで、不動産購入費・車両費・家賃・汎用パソコン・自社人件費などは全額が自己負担です。第三に、本則課税の課税事業者は消費税を除いた金額で交付申請するため、支払時には税込金額を全額立て替えます。第四に、補助金は益金なので法人税等がかかります。第五に、精算払いのため一時的に総投資額の全額を負担し、借入で賄えば支払利息が生じます。第六に、交付申請時の精査や収益納付による事後の減額があります。本シミュレーターは、この6つを金額に分けて積み上げます。
補助金に税金はかかりますか?
かかります。補助金に非課税の規定はなく、法人税法22条2項により、無償による資産の譲受け等として益金の額に算入されます。個人事業主の場合は事業所得の総収入金額になります。計上する時期は権利確定主義によります。設備投資型の補助金については、東京国税局の文書回答事例で、交付決定等の通知を受けた事業年度に補助金全額を収益計上し、同じ年度に圧縮記帳する処理が認められています。なお、法人税基本通達2-1-42を補助金一般の計上時期の根拠として引用する解説がありますが、同通達の対象は雇用保険法等の法令に基づいて交付を受ける給付金等に限られ、設備投資型の補助金は射程外です。
圧縮記帳をすれば、補助金に税金はかからなくなりますか?
なくなりません。圧縮記帳は非課税化ではなく、課税の繰延べです。固定資産の取得または改良に充てるための国庫補助金等を受け、年度末までに返還を要しないことが確定し、交付目的に適合した固定資産を取得していれば、補助金相当額を損金に算入できます(法人税法42条)。ただし法人税法施行令54条3項により、圧縮した後の金額が減価償却の基礎となる取得価額になります。毎期の減価償却費がその分減るため、税負担は耐用年数にわたって戻ってきます。本シミュレーターのさらに詳細分析とPDFレポートでは、この戻り方を年度別の表で示し、通期の税額が圧縮記帳をしない場合と一致することを確認できます。また、広告費・旅費など固定資産を伴わない補助対象経費に充てた部分は圧縮記帳できません。
補助金をもらったら、消費税を返さないといけないのですか?
現行の中小企業庁系の補助金では、返す前に引かれています。補助金は消費税法上「資産の譲渡等の対価に該当しない」不課税収入である一方、補助対象経費の課税仕入れは通常どおり仕入税額控除できるため、そのままでは国が補助金の交付と消費税の還付を二重に行うことになります。そこで現行の中小企業庁系の補助金は、交付申請の段階で消費税および地方消費税相当額をあらかじめ補助対象経費から減額する方式(事前減額・税抜き方式)を採っています。「補助金をもらった後に消費税を返還する」という説明は、税込で交付を受けて事後に「消費税等仕入控除税額」を返還する方式(自治体の補助金などで用いられています)についてのものです。本シミュレーターはどちらの方式でも計算できます。なお本則課税の課税事業者であれば、どちらの方式でも実質的な負担額は同じになります。
補助金はいつ入金されますか?つなぎ資金はどれくらい必要ですか?
補助金は後払いです。補助金適正化法14条・15条により、補助事業が完了したら実績報告を行い、審査を経て交付すべき額が確定してから支払われます。中小企業庁系の主要な補助金の公募要領も「補助金は後払いです」と明記しています。申請から入金までは1年前後を要することがあります。したがって、つなぎ資金として必要な額は補助金を差し引いた残りではなく、総投資額の全額です。なお「補助金つなぎ融資」という名称の全国共通の公的融資制度は、日本政策金融公庫・中小企業庁・中小機構の一次情報では確認できませんでした。自治体の制度融資に類似のメニューがある場合はありますが、全国一律の制度としての裏付けはなく、つなぎ資金は一般の運転資金融資等で対応するのが通常です。
交付決定の前に発注してもよいですか?
交付決定日より前に契約(発注を含む)した経費は補助対象外になります。採択の連絡を受けた時点ではまだ「補助金交付候補者の決定」であり、交付決定ではありません。採択後の交付申請の精査によって交付決定額が減額されたり、全額が対象外になったりすることもあります。納期の都合で早く発注したくなる場面ですが、ここで動くと補助金がゼロになります。資金計画は補助金がゼロでも成立する前提で組んでください。
実質自己負担率は何%以下なら良いのですか?
目安となる基準値はありません。「実質自己負担率」という指標そのものに公的な定義がなく、本サイトが独自の式で計算している概算指標です。したがって本シミュレーターは良し悪しの判定を行いません。使い方としては、「補助率どおりなら◯%のはずが、実際は◯%」という差がどこから来ているのかを6つの要因に分けて確認し、補助対象経費の組み方や課税区分、圧縮記帳の適用可否を検討する材料にしてください。特に、補助対象外経費の割合と補助上限のキャップは、申請前に設計を変えられる余地があります。
PDFレポートには何が含まれますか?
画面では、交付見込額・実質自己負担額・実質自己負担率と、名目の自己負担からのずれを6つの要因に分解した積み上げをご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、精算払いの9ステップを時間軸で示した資金繰り表、立て替え期間別の支払利息、圧縮記帳の年度別繰延べ表(通期の税額が一致することの確認)、課税区分を変えた場合の比較、補助対象経費の割合を変えた場合の感応度、そして金融機関や社内への説明に使えるPDFレポートを提供します。
ご利用上の注意
- 本シミュレーターの結果は概算です。
- 「実質自己負担率」という指標に公的な定義や基準値はありません。本サイトが上記の式で計算した独自の概算指標です。「何%以下なら良い」という判定は行いません。
- 補助金は非課税ではありません。法人税法22条2項により益金の額に算入されます。計上する時期は権利確定主義によりますが、公募要領には「支払を受けた事業年度における収入として計上する」と書かれていることがあり、税務上の帰属時期と一致しない場合があります。交付決定時と入金時のどちらで計上するかは顧問税理士にご確認ください。
- 圧縮記帳は非課税化ではなく課税の繰延べです。圧縮した後の金額が減価償却の基礎となる取得価額になるため(法人税法施行令54条3項)、毎期の減価償却費がその分減り、税負担は後年度に戻ります。適用の可否は要件を満たすかどうかで決まり、確定申告書に別表十三(一)の添付が必要です。
- 免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の適用者が消費税等を補助対象経費に含めて申請できるのは、小規模事業者持続化補助金についての取扱いです。他の補助金では公募要領をご確認ください。
- 補助率・補助上限のプリセットは令和8年8月13日時点で確認した参考値です。公募回ごとに改廃されるため、申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。なお「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は第23次公募が最後となり、中小企業新事業進出補助金と統合されて2026年6月29日に「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」第1回公募が開始されています。
- 交付決定日より前に契約(発注を含む)した経費は補助対象外になります。また、採択後の交付申請の精査によって交付決定額が減額されたり、全額が対象外になったりすることもあります。資金計画は補助金がゼロでも成立する前提で組んでください。
- 「補助金つなぎ融資」という名称の全国共通の公的融資制度は、日本政策金融公庫・中小企業庁・中小機構の一次情報では確認できませんでした。自治体の制度融資に類似のメニューがある場合はありますが、全国一律の制度としての裏付けはありません。つなぎ資金は一般の運転資金融資等で対応するのが通常です。
- 税務の取扱い、圧縮記帳の可否、消費税の控除計算については顧問税理士に、申請の可否や補助対象経費の範囲については各補助金の事務局にご確認ください。