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少額資産の経理処理 4択シミュレーター(10万・20万・40万・通常償却)

パソコンや工具、机や椅子のような少額の資産は、取得価額によって4つの処理方法から選べます。10万円未満なら全額を損金にでき、20万円未満なら一括償却資産として3年で均等に償却でき、40万円未満なら中小企業者等の特例で全額を損金にできます。そして通常の減価償却があります。多くの解説は「使えるなら全額損金が一番得」と説明しますが、そう単純ではありません。中小企業者等の特例で全額を損金にした資産は償却資産税の課税対象になり、一括償却資産は対象外だからです。しかも償却資産税には課税標準額150万円という免税点があり、その手前にいる会社では、たった1件の選択が課税の有無そのものを左右します。このシミュレーターは、法人税と償却資産税を通算した5年間の税負担で4つを比べます。

無料・登録不要/2026-08-13 時点の公的データで計算

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計算方法の概要

  • 少額の減価償却資産(10万円未満)= 事業に使った年度に取得価額の全額を損金算入します。100,000円ちょうどは「未満」にあたらないため対象外です。
  • 一括償却資産(20万円未満)= 損金算入限度額は「取得価額 × その事業年度の月数 ÷ 36」です。分子は事業に使った月数ではなく事業年度の月数なので、12か月決算なら取得した月に関係なく必ず3分の1になります。事業年度が6か月なら6÷36で、償却し終えるまでに6事業年度かかります。
  • 中小企業者等の少額減価償却資産の特例(40万円未満)= 事業に使った年度に全額を損金算入します。取得価額の基準は取得日で判定し、令和8年4月1日以後は40万円未満、それより前は30万円未満です。年間の合計は300万円までで、事業年度が1年に満たない場合は月割りします。
  • 通常の減価償却 = 定額法なら「取得価額 ÷ 耐用年数」、定率法は200%定率法で計算し、初年度は事業に使い始めた月から期末までの月数で月割りします。事業年度が12か月に満たない場合は各年度も月割りします。
  • 法人税等の軽減額 = 損金算入額 × 入力していただいた実効税率。
  • 償却資産税 = 課税標準額 × 標準税率1.4%。課税標準額の合計が150万円未満なら課税されません(免税点)。本シミュレーターは「この資産を課税対象の方法で計上した場合の税額 − 計上しなかった場合の税額」という増分で計算します。免税点の手前にいる会社では、1件の追加によって既に保有している資産の分にまで課税が始まるためです。
  • 償却資産税の評価額は、取得の翌事業年度に取得価額の「1 − 減価率 ÷ 2」、以後は毎年「1 − 減価率」を乗じて減らし、取得価額の5%を下限としています。減価率は旧定率法の償却率(1 − 0.1^(1÷耐用年数))で求めた概算です。賦課期日が1月1日のため、取得した事業年度には課税されないものとしています。
  • 5年間の税負担合計 = 償却資産税(損金算入後の純負担)− 法人税等の軽減額。マイナスは、その5年間で税負担が軽くなることを意味します。この値が小さいほど有利として並べ、同額のときは初年度に損金にできる額が大きい方を先に並べます。

計算の前提条件

  • 金額はすべて税抜です。税込経理をしている場合は、取得価額の判定も税込金額で行うことになります。
  • 現在価値への割引は行っていません。そのため5年以内に償却し終える資産では、即時償却でも通常の減価償却でも5年間の法人税軽減額の合計は同じ額になります。違うのは損金にできる時期です。年ごとの内訳は詳細分析でご確認いただけます。
  • 償却資産税の評価額は概算です。実際の評価額は市町村が固定資産評価基準の減価残存率表により算定します。標準税率を超える税率を定めている自治体(超過課税)や、市町村ごとの取扱いの違いは反映していません。
  • 償却資産税の課税標準額・税額の端数処理は行っていません。
  • すでに保有している償却資産の課税標準額は、5年間一定として計算しています。実際には既存の資産も毎年評価額が下がり、新たな取得もあるため変動します。
  • 償却資産税は損金に算入されるため、税額に(1 − 実効税率)を乗じた純負担で比較しています。賦課された年度に損金算入するものとしています。
  • 事業年度と暦年のずれ、事業年度の途中での決算期変更は考慮していません。
  • 残存簿価1円は考慮せず、通常の減価償却では取得価額の全額を償却するものとして計算しています。
  • 無形固定資産(ソフトウェア等)は償却資産にあたらないため、償却資産税を0として計算します。無形固定資産の償却方法は定額法とされているため、無形を選んだ場合は定額法で計算します。
  • 中小企業者等の特例は、要件を満たしているかを利用者に選んでいただいています。適用除外事業者(過去3年の所得金額の年平均が15億円超)や通算法人の判定は行っていません。
  • 資産を耐用年数の途中で除却・売却した場合の影響は含めていません。一括償却資産は除却しても償却が続くため、短期で入れ替える資産では不利になります。
  • 同一の資産について、3つの特例を重ねて使うことはできません。互いに排他の関係にあります。

使用料率・出典

  • 4つの処理方法の根拠(10万円未満・一括償却・中小企業者等の特例)10万円未満/20万円未満/40万円未満
    適用開始日: 2026-04-01/最終確認日: 2026-08-13
    3つの特例は互いに排他です。令133条1項の適用を受けた資産は一括償却資産から除かれ、措法67条の5は令133条・133条の2の適用を受ける資産を対象外としています(措令39条の28第2項1号)。
  • 令和8年度税制改正(30万円未満 → 40万円未満)令和8年4月1日以後の取得から40万円未満(適用期限 令和11年3月31日)
    適用開始日: 2026-04-01/最終確認日: 2026-08-13
    附則1条本文が「この法律は、令和八年四月一日から施行する」と定め、ただし書の各号に第67条の5が含まれないことを全文抽出して確認しました。附則65条が「新租税特別措置法第六十七条の五第一項の規定は、同項に規定する中小企業者等が施行日以後に取得又は製作若しくは建設をする同項に規定する少額減価償却資産について適用し」と定めています。
  • 中小企業者等の要件と年間限度額年300万円・従業員400人以下
    適用開始日: 2026-04-01/最終確認日: 2026-08-13
  • 償却資産税(標準税率と免税点)標準税率1.4%・免税点150万円
    適用開始日: 1950-07-31/最終確認日: 2026-08-13
  • 法人税等の実効税率(初期値)29.74%
    適用開始日: 2018-04-01/最終確認日: 2026-08-12
    地方税は標準税率、大法人向け事業税所得割を前提とした数値です。所得800万円以下の部分に軽減税率が適用される中小法人や、欠損法人では実際の負担率は下がります。あくまで目安としてご覧ください。

よくあるご質問

10万円・20万円・40万円、どの方法を選べばよいですか。

取得価額で選べる範囲が決まり、その中でどれが有利かは会社の状況によって変わります。10万円未満なら全額を損金にできます。20万円未満なら一括償却資産(3年均等)も選べます。40万円未満なら中小企業者等の特例で全額を損金にできます。判断が分かれるのは10万円以上20万円未満の帯です。特例なら初年度に全額を損金にできますが、その資産は償却資産税の課税対象になります。一括償却なら3年に分かれる代わりに償却資産税がかかりません。すでに保有している償却資産の課税標準額が150万円の免税点に近い会社では、後者が有利になることがあります。逆に免税点にまったく届かない会社では、償却資産税はそもそもゼロなので、一括償却を選ぶ理由は薄くなります。

国税庁のページには「30万円未満」と書いてありますが、40万円未満ではないのですか。

令和8年度税制改正により、令和8年4月1日以後に取得する資産から40万円未満に引き上げられています。適用期限も令和11年3月31日まで3年延長され、対象法人は常時使用する従業員400人以下(改正前は500人以下)に絞られました。国税庁のタックスアンサーNo.5408は2026年8月13日時点でなお改正前の内容のままですが、同じ国税庁の措置法関係通達(法人税編)67の5-2は既に「40万円未満」へ改正されています。判定は取得日で行い、令和8年3月31日以前に取得した資産は従前どおり30万円未満です。1日違いで結論が変わる価格帯(30万円以上40万円未満)では、取得日を正確に確認してください。本シミュレーターは取得日で自動的に判定を切り替えます。

一括償却資産にすると償却資産税がかからないのはなぜですか。

地方税法施行令49条が、償却資産から除かれるものとして法人税法施行令133条1項(10万円未満)と133条の2第1項(一括償却資産)を列挙しているためです。租税特別措置法67条の5(中小企業者等の少額減価償却資産の特例)はこの列挙に含まれていません。そのため、40万円未満の資産を特例で全額損金にした場合、その資産は償却資産税の申告対象になります。3つの制度のうち、償却資産税がかかるのは特例を使った場合と通常の減価償却をした場合だけです。なお、無形の減価償却資産(ソフトウェア等)や自動車は、そもそも償却資産にあたらないため課税されません。

償却資産税の免税点150万円とは何ですか。

償却資産税は、課税標準額の合計が150万円未満であれば課税されません。ここで見るのは1件ごとの金額ではなく、その市町村内に保有する償却資産の課税標準額の合計です。この点が実務上とても重要です。合計が150万円にまったく届かない会社では、どの方法を選んでも償却資産税はゼロなので、一括償却資産の優位は消えます。一方、合計が150万円のすぐ手前にある会社では、1件の資産を特例で計上したことによって合計が免税点を超え、既に保有していた資産の分にまで課税が始まります。免税点は「超えた分だけ課税」ではなく「超えたら全体に課税」だからです。たとえば既存の課税標準額が140万円のところへ評価額20万円の資産を加えると、税額は0円から22,400円になります。1件あたりで見た2,800円の8倍です。本シミュレーターはこの増分で計算します。

一括償却資産を3年以内に廃棄したら、残りは損金にできますか。

できません。一括償却資産は、事業に使った年度より後の年度で滅失・除却・売却しても、その年度に損金にできるのは3年均等の限度額までです(法人税基本通達7-1-13)。通常の減価償却なら除却時に未償却残高を除却損として一度に計上できますが、一括償却資産にはそれがありません。会計上は資産から落としていても、税務上は3年かけて損金にしていくことになります。そのため、数年で入れ替える見込みの資産や、故障・陳腐化の早い資産では一括償却が不利になります。償却資産税の有無だけで決めず、その資産を何年使うつもりかも併せて考えてください。

年間300万円の枠は、どう数えますか。

中小企業者等の特例には、その事業年度に取得した少額減価償却資産の取得価額の合計で年間300万円という上限があります。事業年度が1年に満たない場合は「300万円 × 事業年度の月数 ÷ 12」(1月未満の端数は1月)です。合計が300万円を超える場合は、300万円に達するまでの資産の取得価額の合計が限度になります。1件の資産を分割して一部だけ特例にあてることはできないため、枠の残りが足りない資産はこの特例の対象から外れ、一括償却または通常の減価償却で処理することになります。枠は先に取得した資産から埋まっていくため、期末近くの取得ほど枠が残っていない可能性があります。本シミュレーターは枠の残額を入力していただき、収まらない場合は「使えない」と判定します。

3つの特例を組み合わせて使えますか。

同一の資産については使えません。互いに排他の関係にあります。法人税法施行令133条1項(10万円未満)の適用を受けた資産は一括償却資産から除かれ、租税特別措置法67条の5(中小企業者等の特例)は令133条・133条の2の適用を受ける資産を対象外としています(措令39条の28第2項1号)。したがって1件の資産について選べるのは1つだけです。ただし資産ごとに別の方法を選ぶことはできます。同じ日に買った同じ型番のパソコンでも、1台は一括償却、もう1台は特例、という選び方自体は可能です。むしろ年間300万円の枠と償却資産税の免税点を踏まえると、そうした振り分けが有利になる場面があります。

PDFレポートには何が含まれますか?

画面では、4つの処理方法それぞれについて使えるかどうかと理由、5年間の税負担合計、有利な順をご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、年ごとのキャッシュフロー表(損金算入額・法人税の軽減額・償却資産税を年次で並べたもの)、免税点150万円まであと何円かと何台目で課税が始まるか、同じ資産を複数台買う場合の台数別の分岐、取得日を令和8年4月1日の前後にずらした場合の差、年間300万円の枠の使い方、税理士との相談や社内説明に使えるPDFレポートを提供します。

ご利用上の注意

  • 本シミュレーターの結果は概算であり、税務上の取扱いを保証するものではありません。
  • 国税庁のタックスアンサーNo.5408は、2026年8月13日時点でなお「30万円未満」「令和8年3月31日まで」「500人以下」と記載されたままです。一方、同じ国税庁の措置法関係通達(法人税編)67の5-2は既に「40万円未満」へ改正されています。改正法(令和8年法律第12号)の附則により、令和8年4月1日以後に取得する資産から40万円未満が適用されます。解説ページと法令・通達が食い違っている状態なので、どの資料に依拠しているかにご注意ください。
  • 償却資産税の評価額は市町村が算定します。本シミュレーターの評価額は仕組みを再現した概算であり、実際の課税標準額とは差が生じます。免税点をまたぐかどうかの判断は、償却資産の申告書に記載している課税標準額の実額でご確認ください。
  • 償却資産税の標準税率は1.4%ですが、これを超える税率を定めている自治体があります。お住まいの市町村の税率をご確認ください。
  • 取得価額の判定は、税抜経理か税込経理かによって変わります。また、資産の単位(1組・1式で判定するもの)の考え方によっても変わります。応接セットや自動車のように、通常1組で取引されるものは組で判定します。
  • 中小企業者等の特例を使うには、確定申告書等に別表16(7)などの明細書を添付する必要があります。損金経理も要件です。
  • 実際の適用にあたっては、顧問税理士にご相談ください。