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送料無料ラインはいくらに設定すべき? 損益分岐から逆算する

「3,000円以上で送料無料」「5,000円以上で送料無料」。よく見る設定ですが、その金額に公的な基準はありません。適切なラインは、客単価・粗利率・実際にかかる配送コスト・使っている販路の手数料によって変わります。このシミュレーターは通説の数値を使わず、自社の数字だけから「赤字にならないライン」「目標利益を確保できるライン」「そもそも送料無料にする意味が生まれるライン」を逆算します。

無料・登録不要/2026-08-12 時点の公的データで計算

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計算方法の概要

  • 送料無料時の1件あたり利益 = 商品代金×粗利率 − 配送コスト − 梱包・出荷費 − 商品代金×手数料率
  • 送料をいただく場合の1件あたり利益 = 商品代金×粗利率 + 受取送料 − 配送コスト − 梱包・出荷費 −(商品代金+受取送料)×手数料率
  • 赤字にならない最低ライン =(配送コスト + 梱包・出荷費)÷(粗利率 − 手数料率)
  • 目標利益率を確保できるライン =(配送コスト + 梱包・出荷費)÷(粗利率 − 手数料率 − 目標利益率)
  • 送料無料にすると1件あたり「受取送料 ×(1 − 手数料率)」の利益を失います。受け取れたはずの送料から、その送料にかかっていた手数料を差し引いた額です。
  • その損失を客単価の上昇で埋めるには「受取送料 ×(1 − 手数料率)÷(粗利率 − 手数料率)」だけ客単価が上がる必要があります。ラインをこの水準より低く置くと、買い足しを促さずに送料を値引きしているだけになります。
  • 推奨ラインは、上の3つの条件をすべて満たす最も低い金額を100円単位に切り上げたものです。
  • 粗利率が手数料率以下の場合、注文金額をいくら大きくしても配送コストを吸収できないため、ラインを算定しません。

計算の前提条件

  • 金額はすべて税抜で扱っています。
  • 注文金額の分布ではなく、平均注文金額で試算しています。実際には注文金額はばらつくため、件数構成によって結果は変わります。
  • 送料無料ラインを変えたときに注文数や客単価がどう動くかは、この試算には含まれていません。詳細分析では「注文が何%減っても耐えられるか」という形で、感度だけを示しています。
  • 配送コストは1件あたりの平均額として扱っています。実際には地域・サイズ・重量で変わり、離島や大型商品では大きく増えます。
  • 決済・モール手数料率は、顧客への請求総額に対する率として扱っています。月額固定費や広告費は含めていません。
  • 同梱による配送コストの逓減(1回の発送に複数商品を入れられる効果)は考慮していません。実際には送料無料ラインを設けて買い足しが起きると、この効果が働きます。
  • 返品・再送・代引不在戻りにかかるコストは含めていません。

使用料率・出典

  • 送料は広告に表示する義務がある特定商取引に関する法律 第11条第1号・第12条、同法施行規則 第23条第4号
    適用開始日: 1976-06-04/最終確認日: 2026-08-12
    第11条第1号は「商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)」と定めています。
  • 「送料無料」という表示そのものは違法ではない消費者庁「『送料無料』表示の見直し」(2023年12月19日公表)/物流革新に向けた政策パッケージ(令和5年6月2日 関係閣僚会議決定)
    適用開始日: 2023-12-19/最終確認日: 2026-08-12
    同ページのFAQで「一律の基準(ガイドライン)を設定するものではない」「特定の表示方法を推奨するものではない」と明記されています。景品表示法違反・特定商取引法違反であると断定した公的文書は確認できませんでした。
  • 受け取った送料は売上になる(立替金ではない)消費税法 第28条第1項
    適用開始日: 1989-04-01/最終確認日: 2026-08-12
    第28条第1項は課税標準を「対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額」と定めています。免税事業者・簡易課税事業者では計算が変わります。
  • 飲食料品では、送料を別に取るか価格に含めるかで税率が変わる所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第34条第1項第1号/国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」問32
    適用開始日: 2019-10-01/最終確認日: 2026-08-12
    「飲食料品の譲渡に要する送料は、飲食料品の譲渡の対価ではありませんので、軽減税率の適用対象となりません。なお、例えば、『送料込み商品』の販売など、別途送料を求めない場合、その商品が『飲食料品』に該当するのであれば、軽減税率の適用対象となります。」
  • 配送コスト(公的な基準は存在しない)利用者が入力
    適用開始日: 2025-08-27/最終確認日: 2026-08-12
    国が公表しているのは取扱個数であり、運賃水準ではありません。法人向けの実勢運賃は運送会社との個別契約で決まる民間の価格のため、公的な平均値は存在しません。国土交通省告示の「標準的な運賃」は一般貨物自動車運送事業(貸切)の参考運賃で、宅配便の小口運賃には適用されません。ご自身の請求明細の金額を入力してください。
  • モール手数料率(公的な基準は存在しない)利用者が入力
    適用開始日: 2021-02-01/最終確認日: 2026-08-12
    国が手数料率を定めたり公表したりする制度ではなく、指定を受けた事業者が利用事業者へ提供条件を開示し、変更時に事前通知する制度です。各モールの手数料率を示した公的資料は確認できませんでした。ご自身の契約内容・請求明細の数値を入力してください。
  • 消費税率標準10%/軽減8%
    適用開始日: 2019-10-01/最終確認日: 2026-08-12
    標準税率10%(消費税7.8%+地方消費税2.2%)。業務委託などの役務提供は原則すべて標準税率。

よくあるご質問

送料無料ラインは、いくらに設定するのが正解なのですか?

業種や商材によって変わるため、一律の正解はありません。国や公的機関が基準を示した資料も確認できませんでした。判断できるのは次の3点です。第一に、ラインちょうどの注文が赤字にならないこと。第二に、その注文でも目標とする利益率が残ること。第三に、平均注文金額より十分に高いこと。3つ目が抜けていると、多くのお客様が「買い足さなくても無料になる」状態になり、送料を値引きしているだけになります。本シミュレーターはこの3条件から逆算しています。

なぜ「ラインちょうどの注文」で判断するのですか?

送料無料が適用される注文のうち、最も金額が小さく、最も利益が薄いのがラインちょうどの注文だからです。しかも送料無料ラインを設けると、注文金額はラインの直上に集まりやすくなります。平均注文金額で黒字でも、ラインちょうどで赤字なら、その設定は成立していません。

送料を無料にすると、1件あたりいくら損をするのですか?

受け取れたはずの送料から、その送料にかかっていた決済・モール手数料を差し引いた額です。たとえば送料600円・手数料率10%なら、1件あたり540円の利益が減ります。送料をいただくと請求総額が増えるため手数料も増える、という点を見落とすと過大に見積もってしまいます。

「送料無料」という表示は禁止されたのではないですか?

禁止されていません。消費者庁は2023年12月に「送料無料」表示についての考え方を公表しましたが、一律の基準(ガイドライン)を設けるものではないこと、特定の表示方法を推奨するものではないこと、「送料無料」表示をやめさせるものではないことを明示しています。求められているのは、そう表示する理由や仕組みを消費者に分かりやすく説明する責任です。事業者の自主的な取組事例として「送料当社負担」「○○円(送料込み)」といった言い換えが紹介されています。

送料を表示しないでおくことはできますか?

できません。通信販売では、販売価格に送料が含まれない場合、販売価格と送料の両方を広告に表示する義務があります(特定商取引法第11条第1号)。代引手数料・梱包料・離島の追加料金なども、内容と額の表示が必要です。送料無料ラインを設ける場合は、金額だけでなく適用条件(税込か税抜か、クーポン適用後の金額で判定するか、対象外地域があるか)まで明示してください。

顧客から受け取った送料は、売上に計上しなくてよいのですか?

計上します。自社が運送会社と契約して発送している通常のケースでは、受け取った送料は課税売上、運送会社へ支払う運賃は課税仕入れです。消費税の課税標準は「対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭」とされているためです。また「送料無料」は値引き(対価の返還等)ではないため、対価の返還等としての処理は不要です。購入者が代引き等で運送会社へ直接支払う送料だけは、自社の売上にも仕入にもなりません。

食品を扱っています。送料の消費税はどうなりますか?

飲食料品の譲渡に要する送料を別途受け取ると、その送料は飲食料品の対価ではないため標準税率10%になります。一方、別途送料を求めない「送料込み商品」であれば、その商品が飲食料品に該当する限り、受け取った総額が軽減税率8%の対象になります。飲食料品を扱わないECでは、送料を別に取っても価格に含めても税率はどちらも10%で差は生じません。詳細分析ではこの差額を年額で試算します。

PDFレポートには何が含まれますか?

画面では、赤字にならないライン・目標利益を確保できるライン・推奨ラインと、いまの設定の診断、注文1件あたりの損益の内訳、月間のインパクトをご覧いただけます。さらに詳細分析とPDFレポートでは、ライン別のシミュレーション表、注文数が何%減っても耐えられるかの感度、方針別の月間・年間比較、送料の一部だけをいただく場合の比較、送料を商品価格に含める場合の必要値上げ率、飲食料品の軽減税率による差額、表示義務や消費税の注意点、社内説明に使えるPDFレポートを提供します。

ご利用上の注意

  • 本シミュレーターの結果は概算であり、税務上の取扱いや法令適合を保証するものではありません。
  • 送料無料ラインの金額水準について、国や公的機関が基準を示した資料は確認できませんでした。「客単価の1.2〜1.5倍」といった数値も民間の経験則です。本シミュレーターは通説を使わず、入力された自社の数字だけから逆算しています。
  • 宅配便の実勢運賃は運送会社との個別契約で決まる民間の価格であり、公的な平均値は存在しません。国土交通省告示の「標準的な運賃」は一般貨物自動車運送事業(貸切)の参考運賃で、宅配便の小口運賃には適用されません。ご自身の請求明細の金額を入力してください。
  • モール手数料率も、国が定めたり公表したりするものではありません。ご自身の契約内容の数値を入力してください。
  • 消費税の取扱いは、免税事業者・簡易課税を選択している場合には変わります。実際の処理にあたっては顧問税理士にご相談ください。